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オフィス街の食堂では、昼のランチにかならずといっていいほどミニサラダの皿がついてくるし、スーパーでは、帰宅してから簡単に生野菜サラダが食べられるようにと、カット野菜が売られている。
しかし、この種のミニサラダやカット野菜のたぐいは、気休めにしかならない。
レタスの可食部100グラムに含まれる食物繊維はわずか1.1グラム。
これは、厚生労働省がさだめた1日に必要とされる食物繊維20〜25グラムのわずか20分の1以下だ。
また、カット野菜は、こまかく切りきざまれることで、せっかくのビタミンCも空気にさらされ酸化分解される。
おまけに水洗いされることで、ビタミンCまで洗い流されてしまう。
これでは、新鮮でもなんでもない。
この種のミニサラダやカット野菜は、気休めどころか、「これで野菜がとれた」と思いこませるだけ始末が悪いとさえいえる。
煮たり炒めたりして、野菜をもっととれる食事を生野菜サラダがもてはやされるのは、多くの人が、野菜は生がいちばんと錯覚しているからだ。
その最大の根拠は、生野菜にはビタミンCが豊富に含まれているというものだ。
ビタミンCは熱に弱く、野菜を煮たり炒めたりすると、たちどころに分解してしまう。
だから生で食べたほうがいいというわけだ。
なるほど一面では正しい。
しかし、トータルに考えたら大まちがいだ。
ほんとうは、野菜は生のまま食べるより、むしろ煮たり炒めたりしたほうが、各種ビタミンや食物繊維をとるうえでずっと有利なのだ。
野菜は煮たり炒めたりすると、かさが減る。
試しにレタスを湯どおししてみるといい。
こうして調理された野菜をとれば、生で食べるよりずっと多くの食物繊維がとれる。
また、加熱調理すると、生よりずっと消化、吸収されやすくなる。
加熱すると、たしかにビタミンCの一部が壊れる。
しかし、人間のカラダが必要としているのはビタミンCだけではない。
ビタミンAやビタミンE、カルシウム、カロチノイド類、食物繊維など、野菜に含まれる栄養素にはさまざまなものがある。
とくに野菜の中でもトマト、ニンジンなどの緑黄色野菜には、ここ10年、その働きが注目されているカロチノイド類(トマトでは赤色のリコピン、ニンジンではオレンジ色のβ‐カロチンなど)がたっぷり含まれている。
ビタミンEやカロチノイド類は、ビタミンCのようにたやすく壊れない。
家庭で調理するときの加熱くらいではびくともしないのだ。
しかも油で調理すると、生の状態よりずっとカラダに吸収されやすくなるのである。
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